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株式会社 Niterra Materials
代表取締役社長 白井 隆雄

第140号会報(2025年7月15日発行)

#巻頭言

工業会の皆さん、こんにちは。
 
暑い日が続いています。この原稿を書いているのは6月末ですが、西日本ではすでに梅雨明けとなり、我が社がある横浜でも梅雨がどこに行ってしまったのかと思うほどの晴天と猛暑が続いています。異常気象が進み、しとしとと降る6月の雨は過去のものとなってしまったのかもしれません。近所の公園の紫陽花も、今年は心なしか色がくすんでいるように感じます。
 
この6月2日、我が社は株式会社 Niterra Materialsと社名を変え、新たな一歩を踏み出しました。新しい親会社である日本特殊陶業はセラミックス部品の会社であり、共通点が多い一方で、技術や企業カルチャーには異なる点も多々あります。現在、将来の大きな成長を目指し、お互いの長所を理解し、融合する作業を進めています。皆が前向きに取り組んでいるので、きっと良い会社になると確信していますが、上手く融合するためにどのようなことをすれば良いか、日々考えさせられます。
 
世界では、融合とは逆の方向に進んでいます。戦争はその象徴であり、同時期にこれだけ多くの大規模な戦争が起きているのは第二次世界大戦以来のことです。また、米国と中国を中心とした経済摩擦も激しさを増しています。我々タンモリ事業に携わる者も、中国のAPT輸出規制とトランプ関税のダブルパンチの中で、この経済摩擦をリアルに感じています。紛争は、政治的・経済的な利益、宗教や思想の対立、資源の不平等な配分、歴史的な対立などが複雑に絡み合った結果として起こります。時のリーダーがこれらの視点でどう考え、行動するかも大きなポイントです。ロシアとウクライナの対立は民族的な問題やソビエト連邦崩壊以降の歩みが深く関わっていますし、中東での紛争の根底には宗教的な対立と領土問題があります。しかし、こういった問題は過去から存在しており、最近の状況を一般論で説明するのは難しいと感じます。
 
世界中で様々な状況が複雑に絡み合った結果として紛争や対立が起こっています。先日、バングラデシュから日本に来て日本人の奥さんを持ち、長年住んでいる友人と話をしていた時、彼は最近の世界の状況を嘆いていました。しかし、日本は宗教的な対立もなく他宗教に対して寛容であり、富の分配も他国と比較すれば公平です。歴史的にも島国であるため、外国からの侵略や占領もなく、文化的にも経済的にも発展している稀有な国だと言っていました。彼は長年日本に住み続け、幸せな生活を送っているので日本ひいきは間違いありませんが、外国の人と仕事の機会で話をしていても似たような話をする人が少なくありません。ただ、日本人はそのことをあまり意識していないとのことです。そして、日本人の価値観を世界に広めることができれば良いが、日本人はそういうことに対してあまり積極的ではないと言っていました。日本人の持つ自己主張しすぎない点とか、以心伝心みたいなことを重視する風土とかあるのだと思いますが、ある意味紛争が少ない要因のひとつがこういった日本人のメンタリティだとすると結構矛盾した議論になってしまっているなと考えながらも上手く両立ができると解決に繋がる様に思いました。グローバルなビジネス展開を上手くやっていく秘訣も同じような部分にある様にも思っています。簡単ではないものの、他国と比べると歴史的に平和な環境の中で長年暮らしている部分をベースに持ちながらグローバルな関係を躊躇することなく構築していくことが我々の行動基準として大事な様に思います。
 
さて、我が社の話に戻りますが、上手く融合案を作っていくことに際し、お互いの長所をリスペクトし、自分の弱みも認識しながら、自分の強みをアピールする様にしよう、議論を重ねた上で客観的にどのような形が良いかを俯瞰的に見る様にしようと皆に話しています。日本人同士であり、似たような材料技術の会社なので、良い形にできると信じて日々奮闘しています。この融合から世界に向けて成長していける企業でありたいと考えていますし、この融合された技術や企業文化を通じて世界の融合に貢献したいと考えています。
 
これから夏本番を迎えます。タンモリを取り巻く事業環境も厳しさが続きそうですが、個々人の体調に留意しながら乗り切っていきましょう。

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