5月に開催された定時総会において、理事を拝命いたしました矢野和義でございます。
若輩者で微力ではございますが、工業会の活動に精一杯取り組んで参りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。植竹専務理事から「初仕事」を頂戴しましたので、寄稿させていただきます。
まず、簡単に自己紹介させて頂きます。1972年、大阪府河内長野市で生まれ、大学時代から上京し、卒業後は損害保険会社の営業職を3年間務め、1997年に当社の東京支店営業部へ配属されました。当時の私にとって「レアメタルの営業活動」は、多くの産業分野がレアメタルと関わりを持っていることから、損害保険の営業と比較すると200倍興味深く、また、国内外の彼方此方にお客様が工場や拠点を設けられているので、仕事を理由に出向くことができるのも楽しくて、モチベーション高く業務に取り組んでいたように思います。
2020年11月、社長に就任してからは、タンモリ工業会の会合、セミナーや勉強会に出席する機会が増えましたが、皆様にはいつも温かく接していただき、大変感謝しております。また、会合後の懇親会や有志によるゴルフ会などにも参加させていただくようになり、普段はあまりゴルフをしない小職ですが、年2回のゴルフ会に向けて特訓するようにもなりました。お陰様で、家内にも練習に付き合ってもらうようになり、休日一緒に出掛けることが増えたように思います。
では、小職が入社した約30年前から現在まで、当社の歩みを振り返ってみたいと思います。
入社した頃、超硬工具のスクラップを回収しリサイクルする企業として、超硬工具工業会(現在の日本機械工具工業会)には加盟していましたが、大阪府堺市にある本社事務所に隣接する小さな工場において、タングステンやモリブデンスクラップの仕分けや選別をおこなっていました。工場には、加工設備らしいものは一切無く、フォークリフトと検量する秤、高速カッターがあったぐらいで、スクラップが入ったたくさんのドラムが天井近くまで積み上がっているような状態でした。ただ、手作業に頼っていた私たちでしたが、かなり背伸びをして導入した蛍光X線分析器を使って、回収したスクラップの金属成分をチェックしていました。六畳一間の真ん中に、高精度な分析器だけが居座っているような状態だったことを懐かしく思い出します。
以後、タングステンやモリブデンなどのスクラップを再生資源として如何に有効活用するかを命題としながら、さまざまなことに取り組んで参りました。
①原料や素材の取り扱いをはじめました。スクラップを引き取り、求められる原材料を返還するという循環型スキームの確立を目指しました。
②語学人材の獲得にも注力し、貿易業務を強化しました。
③2003年、ISO品質認証を取得し、スクラップの管理方法と加工技術のレベルアップに努めました。
④2007年、タンモリ工業会へ準会員企業として加盟しました。会員企業の皆様からリサイクルの課題をいただいて、金属表面の酸洗浄にも取り組むようになりました。
⑤2008年、大阪府和泉市のテクノステージ工業団地へ第一工場が竣工。取り扱う金属ごとにスペースを区切って、専属の担当者が管理するようになりました。
工場へ設備を導入しはじめたころは、バンドソーなど各種切断機、破砕設備、粉末の混合設備、洗浄装置や乾燥機、金属表面の酸洗浄装置など、スクラップを単に加工するような直接的な設備が多かったように思います。その後は、環境保全を意識した油分を除去する遠心分離機や圧縮装置、排水処理設備や排煙処理スクラバーなどを導入、効率や作業性の向上を目的とした連続破断装置、マテハン設備や協働ロボットなどの導入にも取り組みました。
また、2014年には第二工場、2025年には第三工場を竣工させ、全社として加工スペースを拡張しました。そして、工業会セミナーにおいて発表させていただいたQRコードを用いたスクラップの在庫管理、CO2排出量削減に繋がる省電力設備への入れ替えや熱中症対策である空調機の導入なども進めております。
さて、先般、日本機械工具工業会において、「超硬工具スクラップのリサイクル促進に向けた選別・保管・処分に関するガイドライン」が策定されました。スクラップに含まれるタングステン等の重要鉱物資源について、国内製造基盤への還流・活用を促進し、安定供給および資源循環の強化を目的とされたものと伺っています。
金属タングステンやモリブデンのリサイクルについては、超硬工具スクラップからタングステンをリサイクルする手法と少し異なるかもしれませんが、金属スクラップという有用な資源が国内の製造基盤へ還流されるように、当社も積極的に回収し、形状選別の方法や加工技術の向上に努めて、工業会に貢献して参りたいと思います。
最後になりますが、引き続きのご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
以上