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寄 稿
  「VUCA の世界に突入して」  (第127号
  プランゼージャパン株式会社
代表取締役社長 西田 勲
 プランゼージャパン株式会社の西田と申します。2021 年4 月より現職に就いております。

 さてタンモリ工業会の皆さまに置かれましてはこの激動の時代如何お過ごしでしょうか?早いものでCovidも3年目に入りましたが残念ながら、まだ完全には収束しておりません。ようやく政府による規制が解除されましたが(3 月22 日現在)、目に見えない厄介者ですので引き続き感染対策が必要ですが、一つ懸念している事があります。私事で恐縮ですが、小学生の子供がおりまして、ずっとマスク生活に慣れてしまい“ 人の表情を読む” と言う経験が不足しており、今後のコミュニケーションで影響が出ないか心配しております…。

 一方ウクライナへのロシア侵攻も勃発し、さらにこの原稿を書いている頃に福島県沖を震源とするマグネチュード7.3 の地震が起こりました。弊社は岩手県奥州市に製造拠点があり当時は夜間シフトで操業しておりましたが、お陰様で社員の中でけが人はなく、装置においても問題なく翌日より操業を開始することが出来ました。

 この様な非常に不安定な時代いわゆるVUCA の世界[Volatility( 変動性)、Uncertainty( 不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)] の中で当社としての取り組み及びその現状などについて今回は述べさせて頂きたいと思っております。

 従来当社は主にタンモリ製品を扱うプランゼー社(Plansee、社内ではHPM=High Performance Materialと呼ばれています)及び主に超硬製品を扱うセラティジット社(CERATIZIT)、タングステン原材料を扱うグローバルタングステンパウダー社(GTP)、さらにモリブデン原材料を扱うモリメット社(MOLYMET) によりグループは形成されておりました。

 この度上述させて頂きました会社創立100 周年と偶然重なったのか、トップにおいて何かしら意図があったのか定かではございませんが、GTP 社のパウダー部門をCERATIZIT 社、製品部門をHPM へ組み込み事となりました。それに合わせてCERATIZIT 社の株式保有割合を一気に大多数とし、より柔軟に組織編制が出来るようになり、中期的に超硬部門のグローバルトップ3に追いつける事を目指しております。

 またHPM 部門で従来よりGTP 社が市場において優位であった製品群においてさらなる強化へ取り組み、一層のシナジー効果を目指しております。このような再編によりここ最近継続して上昇を続けているタンモリ原材料について安定した原材料の確保が課題となる川上側、及びさらに製品としての競争が厳しくなりうるであろう川下側でも、市場に置ける競争力をさらに確実なものにしていく事を目指しております。

 さて100 年前に当社が事業を開始した時はタングステンのフィラメントが主な製品であり、時代のニーズに合わせて製品開発を繰り返すことにより市場におい寄 稿『VUCA の世界に突入して』てお客様より信頼頂ける立場に居続けることが出来ました。しかしながらここ10 年中国メーカーの追撃は凄まじいものがあり、材料販売はもちろんの事材料に機械加工などの付加価値を付けて販売する一次、二次加工品など今はまだ優位に立っている分野でも直ぐに追いつかれる事が想定されます。

 この様な中でより市場に“ 尖ったもの“ を供給しないといずれは弾かれてしまうと社内で非常な危機感をもって、新製品開発・新規市場開拓・新技術取得に取り組んでおります。最近新聞紙上を見ますとSDG’s、CSR, ESG などといった3文字を見ない日はございません。これらは今後の企業の取り組みに置いて非常に重要なキーとなっており当社としても、より一層カーボンフットプリントを中心としたsustainability の考えを重視してグループ全体で取り組んで行くつもりでおります。上記の新製品開発などにおいても当然sustainability を意識したものであるべきと考え、関係者は頭を搔いている日々が続いております。

 少し明るい話題を申しますと、高融点金属及び超硬材料分野における新しい見識をご紹介する国際会議であるプランゼーセミナーを今年は行います。従来であればオリンピックと同じく4年に一度のサイクルで行っておりましたが、昨年はCovid の影響で延期せざるを得ませんでしたが、今年は実施いたします。当社本社にお越し頂けることを心よりお待ちしております。

     

 最後に
この1年間を振り返りまして私的には新しい役職に就き、タンモリ工業会の皆さまに実際にお会いして、可能であればお酒を酌み交わし、当業界について色々まずは勉強させて頂き、それから意見交換を・・と思っておりましたが、残念ながら殆どそれは叶わずでありました。今年2022 年度こそは政府の指針に沿った範囲で改めてご挨拶にお伺いしたいと思っております。

 またお時間の許す範囲で会食、ゴルフなどについてもお付き合い頂ければと思っております。引き続き表題の通り非常に不安定な状況が続いている昨今ではございますが、タンモリ工業会の皆さまにおかれまして、そのまた社員、ご家族の皆さまがまずはご健勝で将来に希望の持てる日々を過ごす事が出来る様、心より願っております。ありがとうございます。
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