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巻頭言
   「2022年を新しいステージの年へ」 (第126会報)
 タングステン・モリブデン工業会
理事長 後藤 信志

 2022年の新春を迎え、タングステン・モリブデン工業会会員並びに関係各位の皆様におかれましては、ご家族お揃いで健やかな新年をお迎えになられたことと謹んでお慶び申し上げます。平素より当工業会運営に関しまして、多大なるご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年一年を振り返れば、残念ながら一昨年と同じく新型コロナウイルス感染に翻弄された一年だったと思います。2020年年明けより世界に感染が拡大した新型コロナウイルスは、日本でも昨年も衰えることなく3波、4波、5波と感染は拡大しました。特に、夏の第5波は全国で大きく感染が広がりました。そのような中で感染拡大により一年遅れで東京オリンピックパラリンピックが開催されました。大会前からコロナ禍での開催について世界中で大きな議論を呼びましたが、大会関係者、選手の努力により、開催期間中も大きなクラスター感染も発生せず無事終了しました。一昨年の新型コロナウイルス拡散により世界中に悶々とした空気が漂っていましたが、開催期間中はたくさんの人が暗い気持ちを忘れる時間を過ごすことができたと思います。また、コロナ禍の中、日本のスポーツ選手が世界で活躍した年でもありました。4月にはゴルフの松山選手がマスターズで優勝し、同じく女子ゴルフの笹生選手は6月に全米女子を制覇しました。特に大リーグの大谷選手の二刀流は世界の人々の度肝を抜きました。彼らのような「規格外」と呼ばれる若者の活躍を見ると私たちも思わずわくわくした気持ちになるとともに、一心不乱に目標に向かって邁進し、大きな壁を克服した若者に檄を飛ばされたような気がします。

 一方昨年の世界経済は引き続きコロナウイルスの影響を受け続けましたが、一部の市場を除き、確実に回復の兆しが見え始めました。ただ、コロナ感染により大きく乱された需要と供給のバランスは短期的に修復できていません。特に自動車市場は半導体等の部品の供給が大きく不足しており、今年もしばらくは需要に追い付かないようです。今回のパンデミックによりグローバルなサプライチェーンの弱点が露呈することになりましたが、今後主要部品の国産化などの動きも出ており、世界の市場地図が大きく変わることも考えられます。

 日本国内経済も回復の手ごたえを感じてきており、第5波が沈静化した秋以降は個人消費も上向き、政府は12月の月例経済報告で国内景気の総括判断を「持ち直しの動きがみられる」とし1年5か月ぶりに上方修正しました。私たちのタングステン、モリブデン市場も一昨年は大きく後退しましたが、昨年下期にはコロナ前の水準に戻ってきました。今後もオミクロン株の拡大等の不安要素はありますが、ワクチン接種、治療薬の承認などの対策によりウィズコロナの環境が整ってきました。このまま大きく減速することなく経済が回復することに期待したいと思います。
 
 ただ、この2年間のコロナ禍を経て、社会生活、未来への展望が大きく変化しました。特に、持続可能な社会の実現に向けた取り組みは世界中で加速されており、地球温暖化を防ぐ「カーボンニュートラル」については人類の使命ととらえ、私たちも喫緊の課題として取り組んでいかなければなりません。くしくも、昨年のノーベル物理学賞を真鍋淑郎博士が受賞されました。世界で初めての「温室効果による地球温暖化予測の研究」が受賞理由です。博士は膨大な気象データを利用して数値予報として気象予報をできないかと考え、コンピュータ黎明期のアメリカにわたり、長年研究を続け「温室効果」による地球温暖化を世界に知らしめました。ちなみに博士は世界で一番スパコンを使用した人と言われているそうです。現在はアメリカ国籍ですが、日本人が地球の危機である温暖化を科学的に明確にしたということは大変誇りに思えることであり、博士の研究の成果を無駄にすることなく温暖化防止を実現したいものです。

 今年もまだまだ経済の先行きは不透明であり、地政学的にも世界は非常に安定を欠いた状況であることは間違いありません。また、DX推進、サステナブル社会への取り組み等企業としての課題は山積しています。しかし大きな難題の前にはビジネスチャンスも無限に広がっています。タングステン、モリブデンに携わっている私たちも大きな課題にチャレンジすることで新たな市場を切り拓き、新しいステージに立てるよう工業会会員並びに関係者の皆様の力を結集して行きたいと思います。今年の干支は壬寅です。この壬寅には「生まれる、新しく立ち上がる」という意味があるそうです。私たちも干支にあやかり「新しいステージに立ちあがる」飛躍の年にしたいと思いますので、何卒ご支援の程宜しくお願い申し上げます。

 最後に、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げ新年のご挨拶とさせて頂きます。
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