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技  術
  「MCCB市場における低コスト接点材料の開発 
  (第126号会報)
日本タングステン株式会社
清水 誠一郎

 1. 緒言
 ブレーカー接点市場は、いまだ成長を続けているものの、主材料となる銀の高騰が進み、調達費用の中で接点費用が占める割合が増加している。
 そこで本研究では、MCCBをターゲットとしてとらえ、主材料費の面でコストダウンにつながる材料の開発に取り組んだ。

 2. 材料の開発と評価方法
 一般的にMCCB用接点として用いられているHS2(AgWC40相当 可動側)と、HD-8、HD-8X(AgWC12C3相当 固定側)をターゲットとして、接点に使用しているAgの一部を異種金属へ変更した接点をそれぞれHS2α、HD-8α、HD-8Xαとし、各種評価試験を行った。

 評価は簡易的な測定装置を用い、AC230V,2500A(PEAK).半端5回遮断で簡易的に耐アーク性、耐消耗性を評価する基礎遮断試験、AC230V,100A,10,000開閉で簡易的に抵抗値の変化と耐消耗性を確認する基礎開閉試験、高速度カメラとバンドパスフィルタを用いたアーク挙動観察をそれぞれ可動側、固定側接点の組み合わせを変更して行った。

 3. 評価結果
  3-1. 基礎遮断試験・開閉試験結果
 比較評価でHS2、HD8Xの組み合わせを使用した時の消耗量、抵抗値、材料費を100%とし、材料の組み合わせを変更した際のそれぞれの特性、コストを評価した。

 評価の結果、添加剤を添加することで遮断試験後の接点表面が平滑になることが分かった(Fig.1)。また、単位体積あたりのコストはHS2α、HD-8の組み合わせが最も低くなることが分かった(Table1)。
 




 3-2. アーク挙動観察結果
特定波長のバンドパスフィルタを用いることで、特定元素のアークを測定することができた。
新規開発材のHS2α、HD-8αの組み合わせを使用した結果、従来のHS2、HD-8の組み合わせを使用した時よりも、アークの消弧が0.5ms早くなることが分かった。

 4. まとめ
 今回開発したHS2α、HD-8αは接点の組み合わせにもよるが、既存接点と同等の性能を発揮しつつ、コストダウンに貢献できることが分かった。今後も開発を続け、MCCB市場の成長に材料面で貢献できるモノづくりを行いたいと考える。
 
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