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寄 稿
  「三和電気のスペシャリスト制度」 (第125号会報)
  三和電気株式会社
技術開発部
 矢壁 徹
 新型コロナウイルスの感染拡大に因り開催が危ぶまれていた2020 東京オリンピック・パラリンピックは関係者のご尽力で無事開催されました。無観客開催の為、盛り上がりに欠けたきらいはあるものの、若いアスリートの活躍や肉体的なハンディキャップを乗り越え驚異的なパフォーマンス示されたオリンピアンの皆様に感謝と拍手を送りたいと思います。

 弊社のある女性社員はオリンピック・パラリンピックのボランティアとしてお盆休みを中心に卓球練習会場で選手の会場誘導、卓球台等の除菌、選手とスタッフの取次・仲介や身の回りのお世話等を行ったこと、そして苦楽を共にしたボランティア仲間との交流等々、貴重な体験が出来たと目を輝かせて話していました。

 ところで三和電気は本社工場と茂原工場の製造二拠点の工場長が女性でジェンダーフリーの進んだ会社として知られています。一方、スペシャリスト制度と称するシニア人材を活用する制度も有りますので本日はこの紹介をさせて頂きます。

 この制度は大手企業等で永年ご活躍され、定年退職や早期退職されたシニアの皆様で未だ意欲的に働く意思をお持ちの方に 
  ① 再活躍の場を提供する。
  ② 若年層の指導・育成を担って頂く。
事を目的としています。

 現在、技術開発、生産技術、営業、生産管理、品質保証、製造、新規事業開発、IT 等 計13名のスペシャリストが各々の持ち場で活躍しています。

 そう言う小職はスペシャリストの先駆けとして三和電気に入社しました。前職は総合電機メーカーでブラウン管用電子銃、特に陰極の開発を行っていました。従って専門は”電子放射” です。陰極や周辺部品の開発を行うために、Ni基金属の他、W,Mo,Ta,Nb 等の高融点金属に関する技術とこれらを加工する為に必要なレーザー加工を得意としていました

 ところが IT バブルの崩壊により電機業界は未曽有の不況に陥り2002年に前職を早期退職致しました。この様な背景の為、再就職もままならない状態でしたが知人の紹介で2003年に三和電気にご厄介になる事となりました。

 当時は、液晶TV が急拡大した時で、三和電気でも液晶のバックライトに用いるCCFL(冷陰極蛍光管)用電極の量産を急いでおり、小職はその開発担当として入社しました。何とか量産に漕ぎつけましたが業界情報により、このまま事業を続ける事はリスクが大き過ぎるとの判断で撤退が決まりました。その後、暫くしてバックライトのLED化が急速に進みCCFL 電極事業撤退の判断は不幸中の幸いでした。

 小職はCCFL 電極開発の為、採用されましたので「私は明日からどうしましょう」と当時の宮崎社長(現会長)に相談しました。宮崎社長は「このまま残って矢壁さんのやりたい事をやって見て下さい」と予想外のお言葉を頂き、残る事になりました。その後、幸いな事に色々な開発案件に恵まれ、今日まで三和電気に御世話になっている次第です。

 小職の記憶に残るスペシャリストをご紹介します。さすがにご高齢(76歳)の為、すでに退職されましたが元々レ- コード針の製造、技術開発に携わっていた切削、研削のスペシャリストで、これまでの三和電気とは全く異なる業界の出身者でした。特筆すべきは設備設計を行い、部品の加工を行い、設備の組み立てを行い且つ仕上げまで一人でこなすと言う貴重な人材でした。

 唯一の欠点はすべて現物合わせで加工されるので図面に公差が記載されていない事で、後で同じ物を作成する時に大変困りました・・・。尖頭加工を始めとした開発品の試作や治工具設計製作、設備設計・製作、量産前加工、少量受注品の生産に加え、後進の育成にも当たって頂きました。

 スペシャリストは各自育ってきた環境が異なります。ともすればこれまでの因襲に捕らわれ、周囲の人と疎遠になり、独善に陥りがちです。そこで2020年11月に全スペシャリストが本社に集まりスペシャリスト交流会を開催ました。

 目的はスペシャリスト同士の相互交流・協力が図れるように親交を深める事で、プレゼン大会を開催しました。プレゼン内容は下記の通りで、これまで知らなかった苦労話や得意分野、人柄を知ってこれまで以上に親近感や一体感を得ることができ、本当に良い交流会となりました。
  ①故郷自慢、趣味 
  ②入社年、入社のきっかけ
  ③三和電気入社前の印象、入社後の印象
  ④略歴、仕事における得意分野

 残念ながらコロナ禍の影響で第二回以降のスペシャリスト交流会の開催が出来ませんが時期を見て是非開催したいと考えています。

 以上述べました様に前職で実績を残し且つまだまだ成長意欲の有るシニア社員を活用することで組織に新風を吹き込み、若手社員に刺激を与え、成長を促すと言ったスペシャリスト制度を更に充実させ活気ある職場作りを進めたいと考えております。

  
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