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巻頭言
   「ご挨拶」 (第125号会報)
 株式会社トクサイ 代表取締役社長
綿貫 直久
 第77回の定時総会におきまして、理事を拝命いたしました、株式会社トクサイの綿貫でございます。
思い返せば昨年の秋、専務理事よりタングステン・モリブデン工業会の活性化を図る目的として、準会員から理事を選出するとのお話があり、輪番制のローテーションに弊社が一番目の候補として挙がっており、是非ご理解いただきたいとの事でございました。

 聞くところによりますと、工業会への入会、歴代順との事で、任に堪えうるのか心配ではございましたが、弊社の創業事業でもございますタングステン・モリブデンの細線分野の一端に携わってきた企業として、工業会の発展が弊社にとりましても、欠くことのできない願いでもございましたので、甚だ僭越ではございますが、微力ながら工業会発展の一助となるべく、お受けする決心をした次第です。

 時代はまさにコロナ禍であり、市場も目まぐるしく変化しております。弊社としましても長年基幹事業でありました、照明市場に関しては、ファイナルランナーを目指すことが使命であると認識し、更に新規事業に関しましても、目まぐるしく変化する事業環境に対応すべく、機動力強化を軸とした形での方針に舵を切ったところでございます。手前味噌ではございますが、弊社は皆様のおかげをもちまして、昨年の9月に創業70周年を迎えることができました。今後、100年企業を目指す事を会社のスローガンとしております。

 眼前の課題としてまさに言い尽くされてはおりますが、コロナ禍に押され、いよいよ真の『ⅤUCAワールド』『変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の時代』に突入した感がございます。この時代を生き抜く為には、今、皆さまが進めておられます『SX(サステナビリティトランスフォーメーション)』に軸足を置いた経営戦略が求められております。経済産業省のSXに対する定義によりますと、企業における持続性と、社会における想定外の変化を念頭に置いた持続性を同期させた事業経営が必要ということになります。

 個別の企業が生き残るために営利を追求する時代から、企業が地球規模でのステークホルダーの幸福を目指すことが企業の大小にかかわらず、命題となっております。またデイビッド・ティースの言葉を借りますと、『ダイナミック・ケイパビリティ(想定外の変化に対して迅速かつ柔軟に対応する能力)』には、『センシング(脅威や危険を察知する能力)』、『シージング(機会を捉え、知見や資産を有効活用し、再構築して優位性を作る)』、『トランスフォーミング(環境に応じて組織全体を改革すること)』
、この三要素が必要だと言われております。

 ご承知の通り、我々を取り巻く環境は、IT技術の発達、マーケットのグローバル化が顕著であり、更に製品におけるプロダクトサイクルが益々短期化しております。一企業としてこのような著しい環境変化にどのように対応していけばよいのでしょうか。会社を個とした営利追及だけでは、企業の持続可能性を担保できない世の中であり、全世界的な動きに同調できる強み、優位性、ビジネスモデルを確立し、企業価値を創造していくことが企業を持続させる鍵であると言われております。ご承知とは思いますが、弊社は新潟県に本拠地を置く従業員百人規模の小さな会社ではありますが、タンモリ工業会を通じた、SDGs等、環境への取り組み及び、タングステン・モリブデン等の希少金属の確保、保護に参加することが重要と考えております。

 また、個々では叶わないものが、工業会を通じた、オールジャパンでは可能となる事に期待せざるを得ません。これからは益々工業会の活動が重要となっていくことは、間違いのないことだと考えます。残念ながらタンモリ業界でのプレーヤーが、特に細線マーケットにおいては世界的に減少傾向が顕著でございます。

 この状況を打開するには、タンモリ市場の裾野を広げ、マーケット人口を拡大する以外にありません。その為には今まで以上にダイバシティを意識した形での、市場開拓、産官学一体となった取り組みを強化していくことが必要だと強く感じております。

 思いばかりでとりとめがなくなりましたが、タンモリマーケットを活性化させ、ひいてはタンモリ事業を持続させる為には、タンモリ工業会が主体となり、今まで以上に会員の皆様との結束を強固にし、環境変化を良い機会ととらえ、SXを構築していくことが、必要だと考えております。

 最後になりましたが、皆様におかれましては、コロナ禍に負けることなく、今後益々ご活躍されることを祈念し、結びとさせて頂きます。
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