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役員寄稿
   「コロナ禍での海外との会議で思うこと」 (第124号会報)
    東芝マテリアル株式会社
取締役事業推進責任者
白井 隆雄

  コロナ禍でのライフスタイル変化は戸惑うことも多いものの、いつのまにかニュースタンダードとなってしまっていることも多いと思います。コロナ前は簡単でないと思っていた在宅勤務も何とかやれてしまっていますし、以前は当たり前と思っていた出張による対面会議もweb 会議である程度は対応できることもわかってきました。そんな中、以前は四半期に一度、あるいは半期に一度訪問していた海外のお客様との付き合いは当初はだいぶ危惧していましたが、最近は今週の外部とのweb 会議は海外のお客様ばかりなんて週も珍しくなくなってきました。

 自分自身は欧州の数社のお客様とコンタクトをしていましたが、世界中のいたるところでロックダウンが起こっていた昨年の春頃はお客様も実働がほとんど止まった状態であったため、互いの近況をメールで確認する程度しかできず、プロジェクトなども進まない状況でした。5 月終わり位から海外とのweb 会議も徐々に実施できる様になりましたが、冒頭はいつも互いの国のコロナ状況の説明でした。緊急事態宣言はあるも強制的なロックダウンしていないこと、感染者数が欧州とは桁違いに少ないことなどは驚かれましたし、6 月位にオーストリアのお客様から「だいぶ状況がよくなってお昼だけは店や一部レストランが開くようになって嬉しい。」との話を聞いた時、色々不自由なことや不満のニュースが蔓延しているものの日本の状況はだいぶましであると感じたものです。

 夏くらいから欧州も色々動き出し、だんだん技術データのフォローや色々なやりとりが増えてきました。相変わらず会議の冒頭はコロナ状況確認ですが、来年(21 年)春位にはまた出張で行き来できるかなどと根拠もなく話をしていました。定期的なミーティングもかなり設定される様になり、だんだんweb 会議の快適さと不自由さを感じる様になってきました。

 快適さとは、相手の場所の遠い近いに関係なく打合せをすることができ、日程調整や移動時間含めたトータルでの会議効率は格段に上がりました。また、web 形式ですと数多くが参加することも可能なので、あまり海外の人と会議を経験したことがない人でも参加できる機会があるということは、まだまだグローバル化が出来ていない弊社にとって心理的な障壁を下げていく効果や、世界中のお客様と仕事をしていこうというモチベーションにも繋がってくれているのではと感じています。

 不自由さとはやはり語学です。対面だと雰囲気だったり、板書して絵で説明したりと色々駆使できるのですが、web は意思疎通が難しいです。結果的に一部の英語力がある人間の負担がかなり高くなってしまっています。これを補うためにはやはり資料をきちんと準備したり、事前に議題をお互いに確認したりといった“会議の基本” であるとつくづく感じます。

 また、どういう風に説明しようかとか議論をこう進めたいといった事前イメージをこれまで以上に意識する様になりました。このあたりは国内や社内の会議についても全く同じですし、不自由なweb 会議を通じて会議をコントロールする力や説得力といったことも養われるのかと思っています。

 最近の会議冒頭はワクチンとオリンピックの話題です。5 月の初頭にドイツのお客様(ドイツも欧州内ではどちらかと言うとワクチン接種が遅れていると言われていた)と会議した時、「やっと30-40% 程度が1 回目のワクチン接種は終わっていて自分の親も昨日接種が終わって安心している。」と言われたので、日本では2%以下と話をしたらとても驚いていました。「日本は先進国じゃなかったってわかったよ。」と自虐的に言いましたが、その頃は本当に日本での接種遅れを嘆いていた気がします。この文を描いている6 月末での部分接種率はドイツで53%、日本はまだまだですがそれでも20%とここ2 カ月でだいぶ進んできました。職域接種も始まっており、オリンピックの頃には半数近くまで行っているかもしれないと期待ができる様になっています。「オリンピック開催についてどう思う?」と最近聞いた時には笑いながら「欧州でもサッカーのユーロカップ開催については反対の声はあるよ。」とのこと。

 コロナは世界中で同時に起こり、甚大なダメージを与えている未曽有の大災害です。この1年半の海外とのやりとりの中でニュースだけでは感じきれないそれぞれの国の違い、この災害への対処などを通じ、自分自身も色々なことを考え直したり、行動を変化させたりするきっかけになりました。

 世界中が同時に経験している内容なので、これからより進めなくてはならないグローバル化やボーダーレス化の速度が一気に早まって来ると思っています。まだまだ先が読めない状況ですが、ここまでの経験を活かしながら次の進化に繋げていきたいと考えています。
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