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巻頭言
  「春はどこへ行った」 (第120号会報)
   株式会社アライドマテリアル

顧問 北川 信行

 予報によりますと、今年の夏は 暑くなりそうだということですが、 昨今は季節の移り替わりを感じる 余裕もなく、コロナ禍騒動のうち に冬から一気に夏になってしまっ たようで、私の好きな自然の営み や息吹が感じられる春はどこへ行ってしまったのかと 思わんばかりです。感性の優先度が全く変わってしまっ たようです、やはり風情や嗜好などに思いを馳せるこ とが出来るのは、外出の自由等の基本的欲求が満たさ れたうえでの事なのだと実感しております。

  巻頭言、何を書かせていただこうかと考えましたが、 やはりコロナ関連かなと思う次第であります。本稿が 皆様の目に触れるのは7月ということですが、執筆し ている今は6月半ば過ぎで、緊急事態宣言が解除とな り感染第2波の予兆におびえながら人出が日々増えて いるという、期待と不安が入り混じった状況です。コ ロナ後に社会のスタイルが完全にもとに戻ると考えて いる人は少ないのではないでしょうか?感染状況や、 今後の経済回復、社会変化などの話は報道等で日々発 信されておりますが、身近な当社での騒動と、それに よる多くの気づきがありましたこと等をご紹介したい と思います。

 在宅勤務、テレワークですが、4月の緊急事態宣言 を受け、突然のことでハード的にもソフト(ルール) 的にも何の準備もなくいきなり始まりました。社内の ノートパソコンをかき集め、通信カードを準備して、 やれる人から在宅勤務をはじめ、会社のデスクトップ パソコンを自宅に宅急便で送ったりとか、勤務時間管 理のルールや仕組みの作成等、これらすべてが並行し て同時に進み、多くの不具合や不公平には目をつぶり 兎に角、通勤リスクを下げ社員の感染リスクを下げる ため、社会的要請にこたえるために、がむしゃらに進め、 気が付けば2週間後には東京・大阪・名古屋・九州の 各事務所の在宅率は60%近くになっていました。こ ちらは特に具体的に指示をするでもなく、皆が知恵を 出し合って、勝手に?進んでゆきました。私は何か大 きな不具合が出るのではないかと心配しながら、その 火事場の馬鹿力的なスピードと職場の変化、調整・順 応力に驚くばかりでした、平時であれば1年はかかる、 いや実現できていなかったかもしれません。

 学生の採用も最終面接まですべてWEBミーティング で行っています。最初はうまく使えず、自宅に居る学 生の顔が90度横に倒れたりしていましたが、最近は 大画面に顔が数倍の大写しになり、表情や目の動きが 対面よりつぶさにわかる事を発見しました、これもな かなかいいかと。ただ学生にとっては、会社の佇まい、 職場・社員の雰囲気等がつかめず、これで入社を決断 するのは気の毒ではあります。

 お客様とのコミュニケーションもむしろ効率が良い 面もあり、特に海外のお客様に対しては圧倒的にWEB ミーティングの効率がよく(深夜・早朝に対応するな どの苦労はありますが)、従来は相当前から計画して複 数顧客の訪問スケジュールを調整して長時間飛行機に 乗って海外出張していたのに比べて、必要な時に素早 く実施でき、頻度も上がるなど、スピード感が全く異 なると実感しました。但し訪問して、時には食事等を しないと進まない話もあり、今後、状況やお客様ごと に適したうまい使い分けが必要になるのでしょう。

 この他にも、平時では得られない多くの気づきがあり ます。通勤のストレスの大きさ、紙やハンコ文化の弊害 等はよく言われておりますが、社内会議に対しても、こ の会議はWEBでいいのか、集合でなければならないの か、集まるからには何が目的なのかと考えるようになっ たり、参加者からはWEBでつないだからには何か発言 しなければ、という声もありました。面白いことに在 宅勤務でも、上司とのコミュニケーションが薄れたと いう人もいれば、むしろ深まったという人もいました、 毎日必ず業務内容や成果の報告をする効果だと思いま す。

 コロナ禍は未だ途上ではありますが、この貴重な経 験を喉元過ぎないうちに検証し、業務の質と効率を見 直し、社員のモチベーション向上、そして働き方改革 へと繋げてゆき、後にコロナのおかげでこんなに変わ れたといえるようにしたいと思います。

 タンモリ工業会の理事会・総会も今回はWEB会議で の実施となりましたが、このコロナ禍から何か得られ るものがあれば良いなと思っております。

 最後に、個人的なことではありますが、この度、私、 アライドマテリアルの社長を退任し顧問に就任致しま した。工業会では変わらず理事を続けさせて頂く予定 でございますので、今後ともよろしくお願い致します。
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