「私の健康宣言」

株式会社アライドマテリアル
執行役員 飯田 惠二

   私のサラリーマン生活は入社後配属になった工場勤務がスタートであった。
 この工場は30 年程前に閉鎖され他県に移転したが、学生時代に色々アルバイトした中で所謂「工場」の経験はなく大いに刺激、勉強になったことは今でも鮮明に覚えており、後々大いに役立った。

 当時は配属前6 か月間の研修後に工場総務部(労務部門)に配属され、先ずは工場勤務者と如何にコミュニケーションを取るかを学ばされた。学生気分が抜けきらないまま現場の作業者に対して会社の諸規程を基に自身の考えを伝える訳だが、今の時代と違い非常に個性的な社員が多く、その場は理解された様に装うが後で確認してみると全く聞き入れてもらえていない。と言う事がよくあった。

 現場の人に言わせると、「大学を卒業して事務所のデスクに座っている奴に何が分かる」と言う感覚では無かったかと思う。そこで考えたのは電話で事を済ますのではなく、色々な事案の都度直接本人に会い話をする、話を聞く事を常とするようにし、徐々にコミュニケーションが取れるようになってきた。小さい工場だったので足を運んでもさほど時間を取られるわけでもなく、話してみると根は職人気質の面白い人達が多く工場近隣住人の噂話や工場の逸話、伸線の黒鉛ついて、めっき液について等々色々な学びを得ることができた。

 昼休憩時間には工場内のテニスコート(当時としては珍しいオムニコート製)で毎日の様にボールを打ち合い親睦を深めて行ったが、それが高じて本社社員とテニス大会を開催したり、他の工場社員とスキーを企画したりと工場現場との接点からコミュニケーションの輪がどんどんと広がって行ったことは今でも財産である。退職されたOBの皆さんには今でも名前を憶えて頂いており、本気で口論した方とはより信頼関係が深まり今の勤務場所に「近くに来たから」と突然来社されたこともある。

 学生時代スキー場で4 年間アルバイトをしていたこともありそれなりの腕前だったことと、適当にテニスをしていたことが入社後多少なりともプラスになったようである。残念ながら学業は全く役に立っていない。

 話は変わって私の趣味について少し話してみたい。スキーは学生時代から子供達が小学校高学年まで続け、テニスは社会人になってから会社の契約テニスコートに毎週の様に通っていた。そうこうしているうちに子供サッカーの追っかけをはじめ、それでは物足りず親父のフットサルチームを結成、小学校のグラウンドが休日開放されるとの情報を得て毎週土曜日練習と対外試合(チーム員に警察庁勤務の人がおり機動隊のサッカーチームと対戦したことも)をしたりとハードな週末を送っていた。しかし、転勤者、私の転居、怪我人等々で活動が縮小(暑気払い、忘年会は変わらず年中行事)され、改めて始めたのがランニングである。

 フットサルをしながらも近場を軽く走ってはいたが、たまたま越した先がランニングに適した場所であり、早朝から夜まで誰かしら走っている。それにも刺激され少しずつ距離を伸ばして行ったのが結果としてフルマラソンに繋がった。最初は10km の大会出場、ハーフ、30km、フル、とタイムではなく完走目標で出場しているが私の場合10km、ハーフは周りがハイペースな為自身のペースが掴めずむしろフルマラソンの方が精神的負担は少ないと気づかされた。

 それにしても今のマラソンブームは大変なもので有名な大会は殆どが抽選で、それも高倍率になっている。確かに都内のどこを走っていても多くの市民ランナーを見かけるし、皇居周辺、駒沢公園、代々木公園など有名所はグループのお揃いシャツで楽しそうに汗を流している。昨年9 月に開催されたMGC を沿道で観戦したが余りの人の多さに場所探しに一苦労した。

 オリンピックのマラソンは札幌開催となってしまい一抹の寂しさを感じる(札幌市民の皆さんには申し訳ない)が大いに盛り上がることだろう。

 当社は数年前より「健康経営」の一環として「個人健康宣言運動」を進めている。これは社員が健康であってこそ健全な会社運営ができると言う考えに基づくもので、社員一人一人が半期ごとに健康にかかわる目標を宣言しそれを達成するために努力しようと言うものである。目標には決まりはなく食事に関することなど各々が日頃改善しようと思っている事、何らかの達成目標を立てそれに向けて努力することなど、宣言内容が公になっているが故に少なからずプレッシャーを感じながら取り組むことにより「絵に描いた餅」になりにくいと考えている(勿論未達成だからと言ってペナルティーがある訳ではない)

 当社でも多くの社員がランニングを楽しんでいるが、フルマラソン3 時間台、ウルトラマラソン完走と上には上がおり、流石にそこは目指せないものの、肉体のみだけではなく精神的健康の為にも体力ある限り続けたいと思っている。

 現代社会において日々ストレスを感じない人は皆無と思うが、それをどうやって解消していくかは永遠のテーマの様な気もする。

 その方法を見つけ出すことが一番の健康宣言ではないだろうか。

     

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