「 PC(パーソナルコンピュータ)」

東邦金属株式会社
取締役寝屋川工場長 渡部 聡

  '私がPC,パソコンに出会ったのは、今 から40年前の1978年でした。書店でた またま手に取った本にはアップル社製のパ ソコン「Apple U」の紹介記事が載っていました。このパソコ ンはBASICという言語が搭載されており、自分でプログラムを 組んで動作できるようになっており、BASICでプログラムした いくつかのゲームも紹介されていました。

 当時コンピュータゲームはゲームセンターや喫茶店に置いて あるアーケードゲームだけで、自分でゲームが作れるパソコン に非常に興味を惹かれましが、AppleUは輸入販売のため高価 で手が出ません。日本製ではシャープからMZ-80Kというパソ コンが発売されていましたが、モニターが小さくモノクロ仕様 で6色カラーのAppleと比べると見劣りします。購入しようか 悩んでいるとき、NECからPC-8001という機種が発売されまし た。14インチのモニターで8色カラー、160×100ドットの 簡易グラフィック表示ができるという当時としては画期的な性 能でした。価格は本体+カラーモニターで26万円と高価でし たがアルバイトで貯めたお金を全額叩き購入しました。
       PC-8001
  わくわくしながら、家に届いたパソコンに電源を入れました が、今のパソコンのように付属ソフトもなく、ましてやインタ ーネットにも繋がっていません。電源を入れると自動的にベー シックが立ち上がり、入力を促すプロンプトが点滅しているだ けです。

 そうです、自分でプログラムを組まないと何もできません。 当たり前のことですが、買いたい気持ちが先に立って買ってか らそこに気付きました(T_T)。

 なにしろ大枚をはたいて購入したパソコンですからこれじゃ いけないと、書店を回りBASICのプログラムについて書かれた 本や雑誌を探しました。今はインタ ーネットでほとんどのことが調べら れますが、当時は本に頼るしかあり ません。いくつか、プログラムにつ いて書かれた本を見つけ、勉強した 結果なんとかプログラムが組めるよ うになりました。

 最初に作ったプログラムはヒット アンドブローというゲームのプログ ラムでした。このゲームは3〜5桁 の数字を当てるゲームでヒット(数 字も場所も正解)とブロー(数字は正 解だが場所が違う)のヒントを頼りに正解の数字を導き出すもの で、マスターマインドという商品名で隠された8色のピンの配列 を当てるボードゲームとして販売されていました。ボードゲーム では出題者と回答者の2名が必要で1すが、パソコンゲームでは コンピューターが出題者になってくれるため1人でゲームが出来 ます。対戦型のボードゲームのデメリットは相手がいないとでき ないことですが、コンピューターゲームはこれを解消してくれま す。ゲームをしたくても対戦相手がいないものにとっては、1人 でゲームができることはありがたいことでした。

 さて、色々な簡単なゲームプログラムを作成して行くうちに、 私のプログラムテクニックも上達し、本格的なゲームの作成にト ライしようと考えました。選んだゲームは、東京大学の理論科学 グループが開発した「平安京エイリアン」というゲームです。

 ゲームの内容は、プレイヤーが検非違使を操り、平安京に侵入 したエイリアン殲滅するというもので、碁盤の目の通路に発生し たエイリアンを穴を掘って落とし、埋めるという単純なルールで すが、穴を掘る位置を決めて落ちるのを待つという戦略的な要素 を持ったゲームです。

 アルゴリズムを考え、プログラミングし、動かしては発生する 不具合を修正し1週間でなんとか動くようになりました。あとは 何度もプレイし、ゲームバランスの調整を行い約2週間で完成し ました。PC-8001で動作する平安京エイリアンのプログラムはど の雑誌にも投稿されていませんでしたので、PC-8001移植第1号 と勝手に思っていました。当時のパソコンは以下ようなの問題が あり、個人的な使用が主で業務に使われることは少なかったと思 います。

 1.メモリーが少なく(私のPCは16Kバイト、MじゃなくK です)、大きなプログラムやデータが扱えなかった。
 2.プログラムやデータの保存がカセ ットテープでデータのセーブ、ロードに 時間がかかり、ランダムアクセスが出来 なかった。
 3.漢字が使用できなかった。
      (平安京エイリアン)
 私ももっぱらゲームのプログラムを組 んで遊んでいました。しかし、ゲームを 作成する中でアルゴリズムを考える力が ついたと思っています。このことは後の 勉強や仕事にとって役に立ちました(大 学の経営工学の授業で優が取れました!)。

 その後パソコンの進歩はめまぐるしく、私の能力ではついてい けず、今ではワープロ、表計算、メール、インターネット検索で 使用するだけで、自分でプログラムすることは無くなりました。 何度かもう一度プログラムを組もうかと考えましたが、現在のパ ソコンで動く新しい言語を覚える気力もなくあきらめていまし た。しかし、最近Windowsで作動するN88Basic互換のフリーソ フトを見つけました。

  今年は、プログラミングにトライしたいと考えています。アル ゴリズムを考えてプログラミングすることは脳の活性化に有効と 思います。皆様にもおすすめします。とりとめのない話になりま したが、私のパソコンとのかかわりについて書きました。この話 には続きとして東邦金属入社後編があります。次回執筆のチャン スがありましたら続きを書かせていただきます。

 最後に、おまけでヒットアンドブローの問題を一つ。下のヒン トから4桁の数(全部異なる数字)を当ててください(回答は次回)。    1. 予想( 5678 ) 結果(ヒット:0 ブロー:2)
   2. 予想( 1234 ) 結果(ヒット:0 ブロー:2)
   3. 予想( 2435 ) 結果(ヒット:3 ブロー:0)
   4. 予想( 2865 ) 結果(ヒット:2 ブロー:1)


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