「早起きは三文の徳  〜わたしの朝のルーティーン〜」

日本新金属株式会社
取締役営業部長 谷奥量一

  学生時代は、目覚ましが無ければ何時まででも眠れていたのが、社会人になりいつの間にか早起きが定着した。やがて、40 代半ばを越える頃から早起きの傾向に拍車がかかり、いつの間にか4時半起床が定着、隣で寝ている家内からは不評を買っている。

 早起きは三文の徳(得?)というが、損得は別にして朝のルーティーンが増加中だ。

 朝の貴重な時間を有効に過ごすために、まず始めたことは何かといえば、丁度20 年前、日記(前日分)を付け始めた。前日のトピックスのみならず、新聞切り抜き、ゴルフのスコアカード(良い時のみ)なども貼り付けるようにしている。本当にたまに振り返ってみて感じることは、自分の関心事項や性格的なことは20 年前とほとんど変わっていないということ。それでも年を重ねるごとに、文字数が増加しているところをみると、少しは考える力、ものごとを観察する力が向上したのではと自分勝手に自己評価している。最近直筆で手紙を書く機会があり、大いに苦労したこともあって、又、将来妻と娘や孫(今は居ません)が遺品の日記をパラパラめくった時、恥ずかしくないようになどと余計なことを考えて、できるだけ丁寧な字で心に残ったことなどを書き留めるようにしている。

 2007 年から2 年間東京単身赴任を経験したが、妻の監視が無くなり酒量にコントロールが効かなくなるであろうことは容易に想像がつき、体調管理をどうしようかと考えてみた。当時中高生の二人の娘が将来結婚式で親父を伴ってバージンロードを入場する際、少しは体型も維持しておきたいなどと又しても余計なことを考え、目覚め時の腕立て伏せ、腹筋と合わせて近所の杉並区の和田堀公園でランニングを始めた。当時はしっかり汗をかくほどに一生懸命走る方が体に良いのではと考えていた。その後、あるテレビ番組でゆっくり走ることが尿酸値低減に効果があることを知り、2年後大阪に戻ってからはペースをスローダウンさせた。そのお陰で現在は小雨の日でも傘を差しながら走っている。人目が気にならないわけでもないが、早朝であることと雨の日なので、ほとんど人とすれ違うことは無い。

 もう一つの日課は、ランニングコース途中のコンビニで新聞を買うこと。出張が多い為、日経は宅配を頼まず、朝買うことにしている。以前は駅のホームで買っていたのであるが、ある時期からコンビニ調達に切り替えた。走りながら、複数のコンビニの前を通過するのだが、コンビニ各社挨拶ルールがあるようで、ある店で買った際『またどうぞお越し下さいませ』と感じの良いオーナー店長らしき人の対応が気に入り、以降その店に立ち寄ることとなった。

 その後、そのお店で多くのアルバイト生を見てきたが、その対応は実に千差万別。毎朝ほぼ同じ時刻に立ち寄るのだが、バイト生によっては新聞が袋に入荷したままの状態でセッティングされていないケース、新聞名が内側に折りたたんで陳列してあるので新聞探しに時間がかかるケースなどもあった。又、わたしはレシートは不要でそのように伝えるのだが、毎朝『レシートはいかがいたしましょうか?』と壊れたオルゴールのように質問するバイト生。店のルールは先述の通り『またどうぞ・・・』なのだが、慣れてくるに従い、その言葉を省略するバイト生が居たりもする。最近では、バイトを始めたばかりの頃は、新聞各社の価格を覚えきれず、毎朝新聞価格を確認していたバイト生が、それでも徐々に慣れてきて、表情も明るくなり、ある日の朝『お客様新聞だけでなく、たまには特売品はかがでしょうか?』と笑顔で話しかけてきた時には思わず失笑してしまうとともに、頼りなかったこの子も随分成長したなあと微笑ましく思ったものだ。

 そのようなコンビニでの朝のバイト生とのやりとを通じて、オーナーの方針、バイト生対応によって店の売上に大きな差がつくだろうなということは容易に想像できる。いやいやコンビニのみならず、これって商売の原則であり、営業マンのレベルにより顧客満足度、売上に大きな差がつくだろうなと営業部門の責任者として改めて考えさせられた次第である。相手のニーズを良く読みとっての個別対応に加えて、表情や声のトーンも重要であることは言うまでもない。とともに、時間を掛けて忍耐強く人を育てることができるなら、きっと人を成長に導くことができるに違いないとも思わされる。

 『早起きは三文の徳』の三文とは、現代の40 円程度に相当するらしいのだが、朝のアルバイターがさわやかな笑顔の女性ならとっても得をした気になるだろうなあなどと考えてしまうのはわたしだけであろうか?加齢と共に益々目覚めが早まることを想定して、更に朝の過ごし方を工夫してその質を高めて行きたいと考えている。


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