「ヘビーアロイの拡散接合技術の開発」

日本タングステン株式会社
電機部品事業本部 事業推進室 商品技術グループ
案浦 康徳



1.緒言
 ヘビーアロイはタングステンを主成分とし、バインダー相をニッケル、銅、鉄等で構成したタングステン基焼結合金である。高密度で切削加工が容易なことから、ウェイトや遮蔽材として使用されている。ヘビーアロイは粉末冶金で製造されるため、製作可能サイズはプレス設備や炉の容量によって制約される。そのため、従来、大型品は複数の焼結合金をボルト締結などによる一体化で対応していた。しかしながら、昨今、ボルト等を用いない一体物のニーズが高まっている。
 今回、一体物のニーズに応えるために拡散接合技術を開発したので紹介する。
 
2.接合部の評価
 所定の圧力を加えながら熱処理をすることで拡散接合したサンプルを製作した。そのサンプルの接合部を切り出し、下記項目を評価した。
  @)接合部の抗折力
  A)接合部の組織

3.評価結果
 @)接合部の抗折力
  母材と接合部の抗折力試験結果をFig.1 に示す。接合部と母材の抗折力は1.5GPa 程度で、ほぼ同等の強度があることが分かった。
 A)接合部の組織
  接合部の組織写真をFig.2 に示す。丸い粒子はタングステンであり、バインダー相がそれら粒子の隙間に確認できる。接合部に境界はみられず、母材と同様にタングステンが粒成長した組織が得られた。

4.まとめ
 ヘビーアロイの拡散接合技術によって、製作可能サイズを拡大できた。接合品質に関しても特に問題はみられず良好であった。
この技術を応用して、Fig.3 に示すような、水冷、空冷用通路をもった中空体形状を製作することができた。



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