「一流のリーダーとは」

パナソニック ライティングデバイス株式会社
 製造部 製造安全・管理課 課長
 西村 誠

  ★リーダーはしゃべりすぎ
 一生懸命指導しているのに、なかな か部下が育たないということは、部下 を持っている人なら誰しも陥った悩み でしょう。部下が自分で考えて行動しないことに苛立ち、そ の結果、自分で仕事を遂行するほうが楽で速いと考えるリー ダーも多いはずです。

 指示すれば、何でもそつなく器用にこなすが自分では考え ない・応用が利かず何度教えても失敗する。

  なぜ、部下は一人前にならないのか?自分で考えて行動し てくれないのか?その大きな要因はリーダーのしゃべりすぎ、 つまり経験上成功する仕事の進め方・失敗する仕事の進め方 を事細かく教えすぎることが、みずから学ぼうとしない部下 を生むこととになり、結果として、部下は自分で考えること をやめ(部下からすれば考える必要がない)、上司の指示通り に業務をこなすだけ、本来の仕事(考え・行動する)を行わ ない状況に陥る。皆さんも胸に手を当てれば同じような経験 があるのではないでしょうか?

 部下が仕事をする為には、しゃべりすぎをやめ部下の主体 性を高めるコミュニケーションが非常に重要であるというこ とです。つまり、一方的にこちらから与える、教える『ティー チング』ではなく、自分で考えることを助ける『コーチング コミュニケーション』が有効だと。

  しかし、一概に『コーチングコミュニケーション』と言わ れてもと思う方も多いと思いますが、まずは、一方的な指示 ではなく部下の話を聞くことから始め、部下が自分の言葉で 話をさせる環境をつくる、話すことは考えが整理され、腹に 落ち、新しいアイデアに気づき、自分自身で意思決定すると いう企業にとって非常に重要な役割を果たすのが『コーチン グコミュニケーション』となります。

 ただし、コーチングだと言って話の途中で指示やアドバイ スを行うと部下は自分自身で意思決定をしたと言う印象はな くなり『コーチングコミュニケーション』の目的は達成でき ません。重要なことは聞く上司はアイデアが引き出せるよう に質問をすることが必要です。

 こんな経験はありませんか、話を聞いていると苛立ち途中 で話を遮り結論を急ぐ(部下の話を却下)そうすると二度と 自分の意見を言わなくなり、部下は指示されてことしかしな い指示待ち族になってしまいます。(上司の経験が邪魔する)

 弊社では毎年コミュニケーションプログラム制度という上 司と部下が年度ごとに個々人の具体的な目標・目標達成のた めのプロセス・プロセス達成時の数値を面談する制度が確立 されています。(査定のポイントにもなります)

 面談は初期・中期・最終とありこの面談でうまく部下との コミュニケーションを図れば自立した部下育成が行える内容 であると認識しています。

  但し、コミュニケーションプログラムの時だけ部下と目標 に関して面談していても成果はでない、常にそれぞれの目標 に対し聞いてあげることが重要であると考えさせられます。

部下承認と居場所を認識させ頑張れる環境づくりが重要
  コーチングおいて非常に重要な要素は『承認』をすること。 承認とは相手の存在を認める・受け止める・肯定するというこ とつまり『話を聞く』ことが人間関係には非常に重要な事です。 (上司も部下も人間ですから)反対に相手の話を聞かないのは、 相手への最大の否定となり部下の居場所をなくすことにもなる ようです。皆さんはしっかり部下の話を聞き(承認)部下の居 場所をしっかり認識していただいているでしょうか?

★リーダーのタイプで組織活性度が変わる
  自分の居場所がないなんて思っておられる方も多くおられ
るかもしれませんが(笑)。では、どんなリーダーが部下から 見て承認をしてくれるのでしょうか?タイプを分けると大き く4つのタイプに分かれるようです。
  
 組織活性度を見ると『できる』上司より『聞ける上司』の ほうが活性度は高く、特に専門性が高いけどコーチ力が低い リーダーAと専門力は低いがコーチ力が高いリーダーBでは 組織活性化度に大きな差が出てくるようです。

 結果はリーダーBの方が高く、専門力よりコーチ力が強く 影響していると推察できます。 つまりできる上司より聞ける上司方が部下を活性化させ伸 ばすことが出来る『部下がついてくる上司』ということにな ります。

  確かに、世間一般でよく言われているようにスポーツの世 界で必ずしも現役時代の成績が抜群でもいい指導者にはなれ ないこと(優勝に導けない)と同じようなことであると理解 できます。

★主人公を部下に
 聞ける上司のほうが活性度を上げられることは理解できま すが、上司は黙って部下の話を聞くだけいいのかということ です。

 部下がしゃべりやすい質問を投げかけ、会話を成立させる かが活性化するポイントのようです。(話を聞く環境づくりや 配置も重要です※対面はNG 横に着席し親密に)

 しゃべりやすい質問とは『部下が主題になる問いかけ』が ポイントとなります。
 ・Aさんはどういう工夫をしたのか?
 ・Aさんはお客様と話していて楽しい? また、成功体験を聞いてあげることも効果的です
 ・仕事の中でうまくいっていることについて聞かせて?
 ・企画書はよくできているけど、どんな工夫をしたの?
 成功体験を聞かれることは、人はやる気や自信を引き出す でしょう 。

 しかしながら、気を付けなければならないことは、問題に 対する質問が
 ・なぜこんなミスをしたんだ?
 ・なぜこんなことになったんだ?
 ・君はどうやってこの責任をとるんだ?

 なんて『詰問』『叱責』になれば出てくる言葉は『言い訳』『謝 罪』ばかりとなります、(45歳以上の方は上司から言われた 経験をいっぱいされているかもしれませんが・・・)質問も 自分で答えにたどり着けるように導くこと『気づかせる』事 が重要だそうです。問題に対しては質問をしながら一緒に考 えその解決をしようという印象を与えることで部下は委縮せず問題解決に向け積極的に話をすることになります。

 質問には魔法の言葉があるようです、それは『どうしたら いい?』『どう思う?』これが魔法の問いかけであり、一緒に 考えるきかっけの言葉となります。

★コミュニケーションの誤解
  いづれにしてもコミュニケーション能力向上が必要です が、そもそもコミュニケーションにどれだけの価値を置くか が問われています。コミュニケーションの誤解は以下の例が ありました。
 ・コミュニケーションは空気のようなもの
 ・自分のコミュニケーションに問題はない
 ・コミュニケーションより『技術』『知識』が大切
 ・コミュニケーションはソフトの問題であり優先順位が低い
 ・コミュニケーションは個人の問題、組織の問題ではない
 ・コミュニケーションと生産性に直接的な関係はない
 ・コミュニケーションは組織のスピードを遅くする
 ・コミュニケーションは組織を混乱させる
 ・コミュニケーションはコストであり、浪費につながる
 ・コミュニケーションは測れないため投資は出来ない

  弊社でも『風通しの良い会社』を旗印に掲げ、コミュニケー ション活性化へ取り組みを進めています。風通しのよい会社 とは単に言いたいことを言える会社ではなく、人間尊重のも とそれぞれを主役としたコミュニケーションを図り、個々人 の能力を最大限に発揮してもらえる環境を創ることだと、あ らためて考えさせられました。  

 みずからも含めそれぞれの立場の方々が『たかがコミュ ニケーション・されどコミュニケーション』を実感し、より よい会社の活性化へ努めていきたいものです。


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