「プラズマ電極用ThO2-W 代替材“ネオタン” の開発」

日本タングステン株式会社
電機部品事業本部 事業推進室
商品技術グループ
毛利 達也

   1.緒言
 これまで放電灯等のアーク発生陰極にはThO2-W(酸化トリウム入りタングステン)が使用されてきたが、近年ではTh を含む放射性物質に関する規制が厳しくなったことで、Th を含有する製品の保管や輸送等が一層難しくなり、トリアフリー材の要望が高まっている。
 トリアフリー材として、CeO2-W、La2O3-W、Y2O3-W 等が開発されてきたが、性能面で酸化トリウム入りタングステンの優位性は現在に至るまで続いてきた。

 今回は、酸化トリウム入りタングステンの代替材として当社で開発してきたNd2O3-W(酸化ネオジム入りタングステン;ネオタン)の各種特性について紹介する。

2.評価方法
 仕事関数が比較的低い希土類酸化物を選定し、TIG消耗試験、放電灯寿命特性及びプラズマ電極特性を評価した。

3.評価結果
ⅰ )TIG 消耗試験
 放電前後の電極重量差を消耗量として算出した結果をFig.1 に示す。ネオタンは従来のThO2-W 同等の耐消耗性を有している。
ⅱ ) 放電灯寿命特性
 ネオタンを陰極とした超高圧水銀灯における連続使用のランプ電圧の推移をFig.2 に示す。点灯時間2,000hr まで安定な性能を得ることが出来た。
ⅲ ) プラズマ電極特性
 直流アーク放電における陰極の消耗量をFig.3 に示す。ネオタンはThO2-W よりも消耗が少ない。また、添加量を増やすことで消耗量は小さくなるが、ある一定量以上添加しても変化はない。
         
4.まとめ
 ネオタンは放電灯の陰極やプラズマ溶射電極、プラズマ電極等に使用することができ、従来材ThO2-W と同等以上の電極性能を有している。


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