「人材の確保と課題」

東邦金属株式会社
代表取締役社長 三喜田 浩

 今年の夏は、例年にも増して猛暑が続いており、皆さまに残暑お見舞い申し上げるとともに、このたびの各地での台風被害や熊本地震により被災された皆さまに、謹んでお見舞い申し上げ、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

 さて、今回は「人材の確保」について触れてみたいと思います。総務省が出している資料によれば、高齢化による日本の総人口の減少はここ数年来ずっと問題視されており、確実に生産年齢人口(15 歳~64 歳) は減少しており、2015 年で32 年ぶりに8,000 万人を割り、総人口の61%となっている。

 一方、65 歳以上の高齢者人口は3,200 万人で、たったの5 年間で総人口の20%から25%に増えている。この様なデータからも人口減少と少子高齢化となっている事がわかり、企業にとっても、人材確保は重要な課題となってきている。人材確保とは、いかにして定年で退職する社員を確保することだと思う。

 日本の人口が減少すると、その分、働く人も少なくなってきます。すると、日本の企業数は今より減少すると予測される。企業はなにより、人がいなければ成り立たない、では、このような状況の中、人材を確保し生き残る為にはどうしなければならないか、人はお金さえもらえれば働きつづけるだろうか。

 新入社員がどの企業をエントリーするかと考えたとき、「賃金や福利厚生」、「勤務地」を重視するが、結果的には「自分がやりたい事」を優先しエントリーしてくる。要するに「人の働きたいという思いの根源は自分がやりたい事が出来て楽しいと思える」ことではないでしょうか。

 仕事は覚える事も多いし、不安もあり、緊張もする、時間的な余裕もないけれどやり遂げた達成感からくる心地よい気持ち、そう感じるから次ぎの一歩が踏み出せる。「必要とされる」「自分の考えがアウトプット出来る」「達成感が得られる」この一連の流れで仕事が出来るようになってきて、初めて楽しみや喜びを感じる事が出来るのだと思う。

 企業が人材を確保する為には、このような経験が出来る環境を作らなければならない。その為にも、社員に業務を任さなければならない。任すということは、その人にスキルを身につけさせて、基礎を固める必要があり、スキルがなければ任された本人も、何をしていいのかわからない。この様な状態では仕事は楽しくなく、ただ苦痛である。

 企業は仕事が楽しいと思えるようになるまで育成しなければならない。しかし、何年もかけて育成しても、楽しいと思える事がなければ、人は離れていってしまう。育成している最中でも、少しずつ業務を任せ、達成感を与える必要がある。

 教育制度を設定している企業も多いい。まさに「スキル」という基礎を身に着けさせ、実践的な業務を行うことによって、必要とされる実感を得る事や自分をアウトプットする環境をつくりだす。この様な環境づくりが人材確保に繋がり、企業は生き残っていくものだと思う。

 現在、タングステン・モリブデン工業会を取り巻く環境は厳しい経営環境にありますが、タングステン・モリブデンを取り扱う皆さんと共に、今後もタングステン・モリブデンの持つ素晴らしい物理特性が「光」・「熱」・「電気」の分野でこれからも新しく活路が開けるモノづくりにチャレンジしていきたいものです。


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